1歳になると、食べ物・飲み物のバリエーションが豊富になってきます。赤ちゃんの水分補給のコツ、選びたいおやつ、お出かけのとき持って行くと便利なものなど、育児と食にくわしい川口由美子さんがズバリお答えします!
川口由美子さん
川口由美子さん
女子栄養大学 生涯学習講師。管理栄養士。(一社) 母子栄養協会 代表理事。離乳食アドバイザー、幼児食アドバイザー。育児関連会社にてベビーフードの企画・開発、レシピ作成、育児アドバイスなどに携わった後、独立。二児の母。
赤ちゃんは大人に比べて、体内の水分量が多く、代謝がよいので汗をたくさんかきます。汗の量で体温をコントロールしているため、水分補給はとても大切。特に、暑い時期やよく遊んだあとには、しっかり水分を摂らせるようにしてください。
一方で「飲ませすぎ」にも注意が必要です。母乳やミルクを飲むことが減って水分不足が心配になりますが、食べているものにも水分は含まれています。飲ませすぎると血液中のナトリウムなどが薄まり、体調を崩してしまうことも。
1歳の頃は、いっぺんに食べられる量が少ないもの。「朝・昼」と「昼・夜」の食事の間に、1日2回のおやつタイムを作って上手に栄養補給してください。おやつには、栄養が摂れることを含めて、赤ちゃんと親にとって大切な3つの役割があります。
■栄養面:エネルギーと栄養素、水分を補う
■生活習慣面:マナーや衛生教育を学ぶ
■精神面:食事とは違う楽しい体験ができる
おやつは「食べる・飲むことが楽しい!」と赤ちゃんが思える、とても大きな経験です。それは、3度の食事とはまた違う感覚。手づかみで食べたり、1人で飲みたがることもあるでしょう。自分でやりたいという欲求も大事な成長のひとつですね。
この3種類のおやつは、どれも調理の手間は少ないと思います。でも今日は忙しくて、用意する余裕がない……そんなときは、「穀物・いも類」の代わりに赤ちゃん用のクッキー・クラッカーやせんべい、「果物」の代わりに果汁100%のジュースなどの市販品にしてもいいですね。
おやつを手作りできなくても、自分を責めたりしなくて大丈夫。材料を確認して安心できるものならいいと思います。赤ちゃんが満足していれば、ママの心も満たされます。ムリをせずにニコニコ笑顔で、一緒に食を楽しんで!
1歳の赤ちゃんとお出かけする場合、食事は大人の分を取り分けられます。おやつと飲み物だけ準備すればいいでしょう。暑い時期や日差しの強い場所では、おにぎりやむいた果物は雑菌の繁殖が心配。ビスケットなど焼き固めて水分の少ないものか、市販のおやつの方が手軽で衛生面も安心かもしれません。
飲み物についても衛生には気をつけましょう。逆流防止弁つきのストローマグやボトルがオススメです。いったん口に入れた飲み物がマグに戻りにくいので、雑菌を抑えやすくなります。容器やストローはこまめに洗うようにしてください。