10ヵ月頃の赤ちゃんは、自我が芽生え、できることもどんどん増えてきます。一方、ものを投げたり、おむつ替えをイヤがるなど、今までにない困った行動も……。育児のプロである高祖常子さんに、上手な対処法をお聞きしました!
高祖常子さん
高祖常子さん
All About「子育て」ガイド。育児情報誌「miku(ミク)」編集長。妊娠・育児誌の編集・執筆、感情的にならない子育てやパパの子育て、パートナーシップなどの講演も行う。インターネット「こそだて」編集長。自身も3児の母。
赤ちゃんの成長スピードは人それぞれ。10ヵ月くらいになると、はいはいで移動したり、つたい歩きをするようになる子もいて、自分の興味があるものの場所に移動できるようになります。背中がしっかりしてお座りもすっかり安定し、両手が自由になるので手の使い方も上手に。薄いティッシュをつまんで箱から引き出すなど、細かな動きもできるようになるでしょう。
持っていたものを放り投げる、食べ物を床に落とす、思うとおりに動けないとぐずるなど、これまでにはなかった困った行動も多くなります。ママから見ると「ついにイヤイヤ期が始まった!」と思ってしまいます。
体の動きが活発になると同時に、心の成長も進みます。この頃には、他者との関わりを何となく理解して、人の反応を見るように。自分がイヤイヤ行動をすると、ママが慌てて大きな動きをするので「反応があって楽しい!」と思うのです。
おむつ替えなどで同じ姿勢を続けさせると、ぐずり出すこともあるでしょう。近くにもっと興味があるものを見つけた、思いのままに体を動かしたいなど、自己主張が出てくるのも心身の成長の証です。
自宅にいるときは、お部屋をイヤイヤ期用にしてしまうのがオススメです。このスペースの中では、多少何かを投げても、ボックスティッシュを1箱ムダにしても「好きにしてOK!」にしておけば、赤ちゃんも安全で、ママの手間やストレスが軽減するでしょう。
■投げると危ないものは、手の届かないところにしまう。
■落ちているものを拾って誤飲しやすいので、小さなおもちゃなどは出さない。
■投げても安全な柔らかいものを置いておく。
■コンセントには安全対策をする。 など
赤ちゃんのイヤイヤに、つい感情的になってしまうことはありませんか? 忙しくて疲れているとき、せっかく作った離乳食を床に落とされたら……冷静さを保つのは大変です。強く叱った後には、自分を許せない心境にもなってしまいます。
そんなときは、赤ちゃんが安全な場所にいれば、そばを一瞬だけ離れて深呼吸し、ゆっくり数を数えます。トイレに入る、手を洗う、窓を開けるなど、いくつかイライラを逃がす行動パターンを持っておきましょう。
子育ては、ママが笑顔でいられるのが一番!疲れや睡眠不足を感じたら、離乳食を市販のものにする、食器洗いは食洗機に任せるなど、上手に手を抜いて。パパに育児・家事を協力してもらうのはもちろん、たまには赤ちゃんをパパや一時保育に預けて、映画など趣味でリフレッシュするのもいいですね。