月齢 1歳頃

どんな飲み物をあげるべき?
お出かけの時は?1歳前後の水分補給やおやつ。

1歳になると、食べ物・飲み物のバリエーションが豊富になってきます。赤ちゃんの水分補給のコツ、選びたいおやつ、お出かけのとき持って行くと便利なものなど、育児と食にくわしい川口由美子さんがズバリお答えします!

川口由美子さん

川口由美子さん

女子栄養大学 生涯学習講師。管理栄養士。(一社) 母子栄養協会 代表理事。離乳食アドバイザー、幼児食アドバイザー。育児関連会社にてベビーフードの企画・開発、レシピ作成、育児アドバイスなどに携わった後、独立。二児の母。

  • 水分補給は様子を見て、
    飲ませすぎにも注意を

    赤ちゃんは大人に比べて、体内の水分量が多く、代謝がよいので汗をたくさんかきます。汗の量で体温をコントロールしているため、水分補給はとても大切。特に、暑い時期やよく遊んだあとには、しっかり水分を摂らせるようにしてください。
    一方で「飲ませすぎ」にも注意が必要です。母乳やミルクを飲むことが減って水分不足が心配になりますが、食べているものにも水分は含まれています。飲ませすぎると血液中のナトリウムなどが薄まり、体調を崩してしまうことも。

    【オススメの飲み物は?】
    カフェインや糖分を含まない「麦茶」や「白湯(湯冷まし)」がオススメです。ぐずったりして気分を変えたいときは、果汁100%のジュースなども。1度にあげる量は、2歳までは100ml以内を目安にしましょう。ジュースは大きなボトルから取り分けると、もっともっと!とねだられてしまうので、飲み切りサイズのドリンクを使うのもいいですね。
  • おやつは赤ちゃんにとって、
    楽しい食の体験に

    1歳の頃は、いっぺんに食べられる量が少ないもの。「朝・昼」と「昼・夜」の食事の間に、1日2回のおやつタイムを作って上手に栄養補給してください。おやつには、栄養が摂れることを含めて、赤ちゃんと親にとって大切な3つの役割があります。

    ■栄養面:エネルギーと栄養素、水分を補う
    ■生活習慣面:マナーや衛生教育を学ぶ
    ■精神面:食事とは違う楽しい体験ができる

    おやつは「食べる・飲むことが楽しい!」と赤ちゃんが思える、とても大きな経験です。それは、3度の食事とはまた違う感覚。手づかみで食べたり、1人で飲みたがることもあるでしょう。自分でやりたいという欲求も大事な成長のひとつですね。

    【おやつは何を食べさせる?】
    おやつというとお菓子をイメージしやすいですが、食事の「補食」として栄養を補えるものを選んで。バランスがよく理想的なのは「牛乳・乳製品」「穀物・いも類」「果物」の3種類です。牛乳をそのまま飲ませたり、ヨーグルト、おにぎり、むいた果物など、できるだけ食材に近い形で食べさせるようにしましょう。
  • 忙しくて手作りできないときは、
    ムリせず臨機応変に

    この3種類のおやつは、どれも調理の手間は少ないと思います。でも今日は忙しくて、用意する余裕がない……そんなときは、「穀物・いも類」の代わりに赤ちゃん用のクッキー・クラッカーやせんべい、「果物」の代わりに果汁100%のジュースなどの市販品にしてもいいですね。
    おやつを手作りできなくても、自分を責めたりしなくて大丈夫。材料を確認して安心できるものならいいと思います。赤ちゃんが満足していれば、ママの心も満たされます。ムリをせずにニコニコ笑顔で、一緒に食を楽しんで!

    【食べさせ方のコツは?】
    1日に2回あるおやつタイムは、食べ物の種類を変えた方が栄養バランスがよく、赤ちゃんの楽しみにもなります。ダラダラ飲み・ダラダラ食べは虫歯や肥満の原因に。食べ切れる量に調整したり、市販品なら個包装のおやつや飲み切りサイズのドリンクで区切りをつけましょう。
  • お出かけのときに持って行く
    おやつとドリンク

    1歳の赤ちゃんとお出かけする場合、食事は大人の分を取り分けられます。おやつと飲み物だけ準備すればいいでしょう。暑い時期や日差しの強い場所では、おにぎりやむいた果物は雑菌の繁殖が心配。ビスケットなど焼き固めて水分の少ないものか、市販のおやつの方が手軽で衛生面も安心かもしれません。
    飲み物についても衛生には気をつけましょう。逆流防止弁つきのストローマグやボトルがオススメです。いったん口に入れた飲み物がマグに戻りにくいので、雑菌を抑えやすくなります。容器やストローはこまめに洗うようにしてください。

    【お出かけにあると便利なのは?】
    外出時は、「飲み切りサイズ」で「常温保存できる」市販のドリンクも便利。果物や野菜を使ったスムージータイプなどは、とろりとした食感で飲みごたえがあり、おやつにも水分補給にも利用できます。こうした市販品も上手に使って、赤ちゃんと気軽にお出かけしてほしいと思いますね。

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